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今日を生きるコーチングの言葉 11

「『あなたのために』という言葉はいついかなる時も美しくない」                   
                        … 大島弓子著 「サバの秋の夜長」より

大島弓子が少女漫画界での天才だったということは、今現在そんなに多くの人は知らないと思う。

手塚治や藤子不二雄や石森章太郎など少年漫画の天才群は、トキワ荘を舞台に漫画の未来を切り開いていった。

大島弓子や武宮恵子そして萩尾望都など少女漫画の天才群は、単なる「未来への希望」ではなく、さらにその先に待つ「残酷な近代」をその作品で予言していった。

特に大島弓子は、その絵の超童話的なかわいらしさとは対照的に、人間や時代の残酷さや生や死、希望や絶望を奇妙なほど穏やかに融合させた作品を生み出していた。

「サバの秋の夜長」は、そんな作者と飼い猫‘サバ’の「共同生活」を描いた自伝的作品だが、そこには人間や猫そしてあらゆる生き物が持つ、その幻想と孤独が冷感のある視点で描かれている。

「なぜって猫はすでに進化の果ての生物のような気がするから」

「猫と桜はさわってもさわっても遠い感じがする」

そして

「『あなたのために』という言葉はいついかなる時も美しくない」
  …飼い猫に思わず愛情を押しつけた自己嫌悪を、作者自身が振り返っての言葉…

このような客観は、「自分が自分が時代」の「ポジティブ強迫世界」と化した現代には、実はもうあまり居場所がない。

その証拠に寡作となった大島弓子が、現在進行形で書き続けている「グーグーも猫である」は、まるで時代に敗北したかのような、彼女とネコの自閉的ともいえる依存関係が描かれている。

だからと言って彼女を批判できるはずもない。

近代化の途上、彼女たち天才漫画家のおかげで、多くの少年少女そして男と女が、強烈な資本の論理と、自らの幻想に折り合いをつけて幸福な時間を過ごすことができた。

幻想が失われ、資本の論理が生き物の「健全」を危険にさらす現代まで、彼らにおんぶや抱っこをしてもらうわけにはいかない。

猫は進化の果てに、孤独と自分をひとつにする存在の秘儀を身につけたようにも見える。

たぶん今、人間にもそんな「進化」が問われている。

…研修委員:黒木雅裕
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by y-coach_net | 2009-09-20 02:30 | 黒木さんのコーチング
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