ブログ… 「コーチはリーダーである。リーダーはコーチである」
by y-coach_net
カテゴリ
全体
イベントのお知らせ
黒木さんのコーチング
山口チャプター
メンバー紹介
ほぼ日記
本の紹介
リンク
未分類
リンク
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


安心と変化のコミュニケーション…「学習の4つのポイント」

①やってみせる
②言ってきかせる
③させてみる
④ほめる

の4つのポイントが人を学ばせて動かすポイントと指摘したのは太平洋戦争時代開戦時の日本帝国海軍司令官山本五十六ですが、これは言い換えれば

①モデルになる
②説明する
③シミュレーションさせる
④承認とフィードバックをする

ということで、さらにこれらは

①視覚に働きかける
②聴覚に働きかける
③体感覚に働きかける
④意欲に働きかける

という人間の感覚と情動に全方位的に働きかけることを意味します。

たとえばトヨタ自動車は、タイを始め世界の何カ所かにGPCという「トレーナーをトレーナーする」すなわち人に技術の「教え方を教える」ことができる「職人」をトレーニングするためのセンターを作っていますが、そこでやっていることはまさに上記の4つのポイントを押さえたトレーニングです。

動画つきのマニュアルを使い、質疑応答をこまめに行い、実際の作業道具を使わせ、課題点を相手に伝えていくというスタッフへのトレーニング技術を、トレーナーズ・トレーナーと呼ばれる役職者がトレーナー候補にトレーニングしていくわけです。

そしてトレーナーズ・トレーナーが重視しているのが、いうなれば「泥臭い」コミュニケーションです。

あるNHKのドキュメンタリー番組に映し出されていたトレーナーズ・トレーナーは日本のグローバル企業の代表と言えるトヨタ自動車のイメージとはかけ離れた、いや逆に「カイゼン」を地道に目指し続けるトヨタ自動車そのままに、まさに職人という雰囲気でした。

ベトナム人を教えるタイ人の教育力に課題を感じたその日本人のトレーナーズ・トレーナーは、肩をたたき、目をみつめ、表情で訴えかけ、仕事以外の時間まで使って人間としてうちとけることを常に試みつづける…

日本の最先端企業の最先端戦略上の活動にも関わらず、映像を通して感じたのはなんとも「泥臭い」としかいいようのない、湿度の高いコミュニケーションでした。

①やってみせる
②言って聞かせる
③させてみる
④ほめてやる

の4つのポイントを喝破した山本五十六司令官も、写真でみるかぎり昭和の日本人の典型をみるような朴訥とした容貌と雰囲気を醸し出しています。要するにとても「泥臭く」「人間くさい」リーダー像なわけです。

だとすればもしかしたら「人に学ばせる」ためのコミュニケーションは、泥臭いものにならざるを得ないのかもしれません。そして「泥臭い」とは具体的にはどういうことなのか、そしてそれがなぜ学習に効果を持つのかということになります。

コミュニケーションの世界では、言語によるメッセージをバーバル、非言語によるメッセージをノンバーバルと称して、バーバルと同時にノンバーバルの重要性をしばしば強調します。

「泥臭い」コミュニケーションとは、その二つの機能を包含した上で、、さらになんらかの+αを加えたコミュニケーションなのだと感じます。

ではその+αとは…

それはおそらく自己の人間としての弱さ、脆さから他者の人間としての弱さ、脆さに接していく、いわゆる人間脳しか持ち得ない「共感」の力から生まれるコミュニケーションなのではと感じます。

人間は地球の生態系においては圧倒的上位に位置する存在ですが、その正体はいまだとても弱く、脆いものです。

一秒の油断が死につながる動物世界の危険を文明の力で乗り越えた現在でも、まだまだ今ここに安息できる社会環境のレベルには達していません。

言い換えれば人間は、仕事やステイタス、家族や富など、さまざまなバリアで自己を守る知恵と力を獲得したのですが、その自分の中心にある精神、すなわち「こころ」は、本質的には未だ極めて脆弱なのです。

人間のこころは、社会的なプレッシャーやストレス、仕事や家庭の課題、そして肉体的な好不調など、あらゆる細かな環境の変化でたやすくバランスを失うものです。

だからこそ人間には、単に目標を明確にしたり、意欲を引き出したりするコミュニケーション以外に、その弱さや脆さを受け止め合うことを示す、ノンバーバルを超えた「共感」というコミュニケーションが必要なのです。

学ぶということは、ある意味自己の中に、今まで存在しなかった「異物」を取り込む作業ですから、そこに相当量の安心感や充足感がなければ、集中、継続できるものではありません。

①やってみせる
②言って聞かせる
③させてみる
④ほめる

というの4つのポイントは、人間のあらゆる感覚や情動に働きかけるという意味では全方位的でもありまた、人間の存在としての弱さと脆さを受け止めた上での共感を基盤とした「泥臭い」コミュニケーションです。

と同時にこの4つのプロセスは、「泥臭くても共に目標に向かって進む」意志さえもてば、特別なリーダシップの技術や資質をもたないマネージャでも実行可能な、極めて平凡で普遍的なコミュニケーションと言えます。

部下や同僚を成長させたい、でもどうしたら良いかわからない、そんな時は原点に戻ってこの学習の4つのポイントからコミュニケーションから再度スタートすることは、学習を促す方にとっても、あるいは学習する方にとっても得ることの多い経験となるのです。

研修委員:黒木雅裕
[PR]
by y-coach_net | 2008-10-25 10:22 | 黒木さんのコーチング
<< 今日を生きるコーチングの言葉 9 今日を生きるコーチングの言葉 8 >>