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挨拶論 (19)

④は存在承認としてもかなり積極的になってくる。利害関係と同時に人間的にも好意をもっている、ということを示すレベルだ。

このレベルが高いと職場や学校、そして家庭も居心地の良いものになる。人は自分に好意を持ってくれる人の役に立ちたいという欲求をもっている。だから好意に根ざした人間関係が構築されれば、生産性も上がる場合が多い。

しかし、好意に根ざした人間関係には盲点があって、それは好意をもった同志だけで小グループ化する傾向があることだ。④のケースで言えば、その上司を核とした小グループが生まれ、他の上司のグループと対立すると可能性がある。

要するに派閥ができるといういうことだが、ある程度の小グループ化は人間が集団で生活する動物である限り避けられないし、競争がいい結果を生む場合もある。しかしそれが派閥と呼ばざるを得ない状況になると…

馴れ合いやイジメの土壌が生まれて、結果的に健全なコミュニケーションが障害されてしまう。言いたいことが言えないのはまだいいが、言うべきことが言えないほどこの偏りが強くなると一気に仕事のリスクは高まっていく。

だから好意にもとずいた挨拶をすることは良いことだが、同時にそれを「全員」が「全員」に行うという、その集団の強い合意や意志が必要になる。この土壌を作るの簡単ではないが、それは生産性という点でも職場風土という点でも大きなメリットがある。

等距離の利害と好意にもとずいた挨拶は集団が目指すべきひとつの理想だ。

…研修委員:黒木雅裕
by y-coach_net | 2009-04-10 22:54 | 黒木さんのコーチング

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