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挨拶論(21)

⑤はもっとも気楽な挨拶だ。

気楽なのは関係が友達だからという理由だけではない。挨拶の目指す目標が単純で明確だからだ。

⑤の場合の目標は「みんなで楽しむ」。だから「お疲れー!」という言葉を交わし、「僕は君がそこにいることを認めているよ」というメッセージを真っ先に伝え、お互い安心してその場を楽しむことができるようにするのだ。

目標が明確な場合や人間関係が単純な場合、挨拶は比較的簡単になる。軍隊では、常に部下から上官へ挨拶が行われ、それに上官が答える。これも目標は単純で、どちらが命令してどちらが従う立場なのか、繰り返し確認して作戦の精度を高めているのだ。

このへんが曖昧だと、突然人間はどんな挨拶をするべきなのか、不安になってくる。

例えばコンビニエンスストアで、妙に丁寧な挨拶をするのはあきらかに場違いだ。だから多くのお客はだまっているか、ほどよく無愛想に店員に接する。店員の方もにこにこはっきり挨拶をされればおそらく困るはずだ。

なぜならコンビニエンスストアは、「孤独にはいやだけど親しくなりたくない、親しくしたくないけど孤独にはなりたくない」という、現代人が集まる場所だからだ。

そういう意味で「お疲れ様!」はかなり便利。もちろん目標がはっきりしている時には使えるし、またお互いの立場や上下関係が曖昧な場合でも、軽めにほほえんで「お疲れ様です」と言うのであれば間違いが無い。

「お疲れさま!」「お疲れ様…」「お疲れさまー」「お疲れ様です」など非言語のニュアンスを換え、丁寧語や普通語を入れ替えれば、ほぼ万能の「アイスブレイク」になる。積極的な活用がおすすめ。

…研修委員:黒木雅裕
by y-coach_net | 2009-04-18 02:19 | 黒木さんのコーチング

ブログ… 「コーチはリーダーである。リーダーはコーチである」


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