DVDの紹介…マイケル・マン監督作品 「コラテラル」
2008年 06月 20日
ちょっと前に一度見ていてそれを忘れて中古のDVDで買ったのがこのマイケル・マン監督の「コラテラル」で、今回は逆におもしろくて何回も視聴するほど見応えがあり、忘れていたのが不思議なほどキレとテーマを感じる作品です。
あえておもしろさを言葉にすれば「動き」と「意志」でしょうか。
酷薄だけれど哲学的な暗殺者ヴィンセントと彼の仕事に巻き込まれた「夢」に逃げ込む平凡で人の良いタクシードライバーマックスが、一夜の中で繰り広げる研ぎすまされた「友情」物語ですが、まず目に飛び込むのはヴィンセントに扮するトム・クルーズの「暗殺のプロ」以外の何者でもない「動き」です。
「構え」「打ち」「去る」銃の演技は特に出色で、意外に人間っぽい内面とのギャップをノンバーバルで見事に照らし出します。うまくいっている時も窮地に陥っている時もその「決めて」「やる」に瞬髪の間もなく、そこになにか彼が「決めた」あるいは「決めざるを得なかった」生き方が表現されていて、物語が進むに連れどこかこの暗殺者に共感させらていきます。
巻き込まれたマックスことジェイミー・フォックスの「動き」も見事。人は良いが「夢」を行動に移せない「弱さ」を、歩き方、しゃべり方、撃ちたくもない銃の撃ち方で的確に表現しています。そして暗殺の仕事に巻き込まれるという災難の中で、ある意味ヴィンセントから(そして自ら)生き方を学び、弱さの中でもがきながらも「決意」して「行動」する平凡な人間の健気さが表現されています。
映画の後半2人の「動き」はなにか「意志」とでもいうようなものに集約されていきます。彼らはそれぞれの生き方の限界を踏みしめながらそれでも「動き」続けます。ハッピーエンディングでは無いけれど「動き」の先にある「意志」あるエンディングをぜひお試しください。
研修委員:黒木雅裕
あえておもしろさを言葉にすれば「動き」と「意志」でしょうか。
酷薄だけれど哲学的な暗殺者ヴィンセントと彼の仕事に巻き込まれた「夢」に逃げ込む平凡で人の良いタクシードライバーマックスが、一夜の中で繰り広げる研ぎすまされた「友情」物語ですが、まず目に飛び込むのはヴィンセントに扮するトム・クルーズの「暗殺のプロ」以外の何者でもない「動き」です。
「構え」「打ち」「去る」銃の演技は特に出色で、意外に人間っぽい内面とのギャップをノンバーバルで見事に照らし出します。うまくいっている時も窮地に陥っている時もその「決めて」「やる」に瞬髪の間もなく、そこになにか彼が「決めた」あるいは「決めざるを得なかった」生き方が表現されていて、物語が進むに連れどこかこの暗殺者に共感させらていきます。
巻き込まれたマックスことジェイミー・フォックスの「動き」も見事。人は良いが「夢」を行動に移せない「弱さ」を、歩き方、しゃべり方、撃ちたくもない銃の撃ち方で的確に表現しています。そして暗殺の仕事に巻き込まれるという災難の中で、ある意味ヴィンセントから(そして自ら)生き方を学び、弱さの中でもがきながらも「決意」して「行動」する平凡な人間の健気さが表現されています。
映画の後半2人の「動き」はなにか「意志」とでもいうようなものに集約されていきます。彼らはそれぞれの生き方の限界を踏みしめながらそれでも「動き」続けます。ハッピーエンディングでは無いけれど「動き」の先にある「意志」あるエンディングをぜひお試しください。
研修委員:黒木雅裕
by y-coach_net
| 2008-06-20 00:10
| 本の紹介