本の紹介…サイモン・シン著 「暗号解読」
2008年 06月 22日
暗号のことなんかまったく知らなかったわけです。もっと言えば興味もなかった。もちろん暗合解読の才能もありませんから、さすがにこの題名の本買うか買わないか迷った訳ですが読み終わった今僕がどうなっているか。
暗号が「分かる」んですね。暗号の「事」が分かるじゃなくて「暗号が分かる」ようになってる。前作「フェルマーの最終定理」の時もそうでしたが、三世紀の間証明されなかった難解極まる定理のことが「分かる」。いくらなんでもサイモン・シン作品のこの「分かりやすさ」尋常じゃ無いと思うわけです。
ローマを勝利に導いたカエサル暗号、連合軍を苦悩させたナチスドイツの暗合機「エニグマ」、事実上解読不能な量子暗号…出てくるテーマはどれも神話的、歴史的、未来的であり、要するに普通なら少々好奇心を刺激されてもそれ以上に理解を深めることなどできないものばかりなのですが…
そんないろいろな暗合の「構造」「作り方」そして「解読の仕方」まで…なぜかは分からないがそれらが「分かる」。
暗合を巡り苦闘健闘する天才達の人生も丹念に書かれています。
「エニグマ」暗合を解読して第2次世界大戦の終結を数年早めた(と言われる)悲劇の数学者アラン・チューリング。インターネットセキュリティーを先進させたデジタル世界のヒッピー野郎ホイットフィールド・ディフィー。量子コンピュータという考え方そのものを「発明」したまるでティム・バートンの映画に出てきそうな容貌のデイヴィッド・ドイチェなどなど…
彼らの才能や考え方そして生き方に触れることができるのも魅力ですが、何より彼らとともに「暗合を解読」する快感を共有できるほど暗合が「分かってしまう」ところがやはり本書の醍醐味です。
要するに著者サイモン・シンの「分かりやすさ」の凄まじさということなんですが、この「分かりやすさ」こそ僕にとっては本書に登場する数々の暗合に勝るとも劣らない「解読不能の暗合」です。
暗合を自由自在に作ったり解読できたりできるようになりたい人(そんな人…あんまりいませんね)と分かりやすい表現について洞察を深めたい人…必読の書です。
研修委員:黒木雅裕
暗号が「分かる」んですね。暗号の「事」が分かるじゃなくて「暗号が分かる」ようになってる。前作「フェルマーの最終定理」の時もそうでしたが、三世紀の間証明されなかった難解極まる定理のことが「分かる」。いくらなんでもサイモン・シン作品のこの「分かりやすさ」尋常じゃ無いと思うわけです。
ローマを勝利に導いたカエサル暗号、連合軍を苦悩させたナチスドイツの暗合機「エニグマ」、事実上解読不能な量子暗号…出てくるテーマはどれも神話的、歴史的、未来的であり、要するに普通なら少々好奇心を刺激されてもそれ以上に理解を深めることなどできないものばかりなのですが…
そんないろいろな暗合の「構造」「作り方」そして「解読の仕方」まで…なぜかは分からないがそれらが「分かる」。
暗合を巡り苦闘健闘する天才達の人生も丹念に書かれています。
「エニグマ」暗合を解読して第2次世界大戦の終結を数年早めた(と言われる)悲劇の数学者アラン・チューリング。インターネットセキュリティーを先進させたデジタル世界のヒッピー野郎ホイットフィールド・ディフィー。量子コンピュータという考え方そのものを「発明」したまるでティム・バートンの映画に出てきそうな容貌のデイヴィッド・ドイチェなどなど…
彼らの才能や考え方そして生き方に触れることができるのも魅力ですが、何より彼らとともに「暗合を解読」する快感を共有できるほど暗合が「分かってしまう」ところがやはり本書の醍醐味です。
要するに著者サイモン・シンの「分かりやすさ」の凄まじさということなんですが、この「分かりやすさ」こそ僕にとっては本書に登場する数々の暗合に勝るとも劣らない「解読不能の暗合」です。
暗合を自由自在に作ったり解読できたりできるようになりたい人(そんな人…あんまりいませんね)と分かりやすい表現について洞察を深めたい人…必読の書です。
研修委員:黒木雅裕
by y-coach_net
| 2008-06-22 22:19
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