小さなコーチングの大きなポイント…「新人を育てるスタッフになる」3
2008年 07月 19日
誠実で真面目だがスピードに課題があるKさん。明るくてスピードもあるが出勤が安定しないという課題があるIさん。彼らを対象とした勉強会が終わりました。
KさんもIさんも僕は人間的に信頼できるスタッフだと思っています。だからこそいかにしてそれぞれの課題を受け取れる形でフィードバックできるかが僕の第一の課題でした。Kさんは比較的無口ですし、Iさんはその日かなり体調が悪い。前途多難な状況でしたが、マネージャのFさんなどのサポートのおかげでなんとかスタートすることができました。
まずその日の目的、
①資質や性格に合った学び方を発見する
②資質や性格に合った教え方を発見する
を伝え、最初はKさんIさんとワン・オン・ワンのコーチングです。「コーチングの流れ」の中の「現状の明確化」を目標に2人それぞれの現状を確認していきました。そして今日は2人の課題をテーマに勉強会を行うことへのコンセンサスをまず作り上げました。もともと彼らも課題を解決をしたい気持ちをもってますから不安を示しながらも前向きさを感じさせます。
課題を客観的に見てもらうために、私はひとつの工夫を持って勉強会に入りました。
彼らを、「安全性は高いがスピードに課題があるクルマ」「スピードは早いが安全性に課題があるクルマ」という比喩で彼らの現状を伝えることです。言葉だけでは客観性が足りないと思い、グーグルのイメージ検索から引き出したフェラーリとプリウスの写真をA4の紙に載せそれを参加者に回覧します。
「僕はこの2つのクルマを2人に例えて考えています。さてどっちがどっちですか?」という質問から勉強会をスタートしました。みんな笑いながらもほぼ全員一致。プリウスがKさん、フェラーリがIさんです。ということは本人達もスタッフも、ある程度課題を客観的に感じとっているわけですし、また私の比喩もそうはずれてはないことになります。
僕の役割は事実上ここまでです。課題の共有ができればあとは、リーダー、サブリーダーそしてスタッフが自ら答えを発見していく段階に入ります。今回は2つのグループ「プリウスピット」と「フェラーリピット」に分けグループコーチングをスタートさせました。
あえてグループの進行役も決めずにスタートしたのですが、解決の意志が明確な場合は、自然発生的に進行役を決める方がより答えに近づきやすいからです。すでにコミュニケーションの基盤がある場合、おそらく人間の脳はグループの力学を自発的に最適化する性質があるのではと推測しているのですがこれは余談。
出てきた課題は思った通りのところとそうでないところと半々です。Kさんについては「一生懸命にやっているが追いつかないところが課題」…と僕は考えていたのですが、どうやらスタッフには違う視点がある様子で…。
スタッフから見れば「Kさんは頑張っていると思うがまたがむしゃらさが外に出ていない」とのこと。スタッフとKさん双方で作ったそのコンセンサスに「そうなのか」と意外さを感じなからも私に新しい視点が生まれます。
「フェラーリピット」ではIさんを取り巻くコミュニケーション環境の課題が言葉になっていきます。先輩スタッフに質問をしても答えが得られないことがある。誰に質問をしていいかわからないという局面でプレッシャーが重なるなど…。
さらに本人の体調管理や仕事への意識の不十分さなども浮き彫りになりどうやら結構根が深い課題であるとの新しい認識が私に生まれてきます。「今日は答えを出す必要はありません」と伝えていましたが、両チームともかなりの精度で現状を明確にしてくれました。
ここで思わず僕は「ではどうすれば」とひとりで答えを考えてしまうのですが1人で答えが出るはずもまた出す意味もありません。
古いアメリカのポップソングの歌詞のように、今はまだ「答えは風に吹かれている」わけですが、それでも僕はそのグループコーチングの中に「コミュニケーションの沸騰点」を感じました。
奇しくも2人のサブリーダーTさんとMさんが、プリウスチーム、フェラーリチームそれぞれで同じ質問をしていたのです。
「今一番不安に感じていることを聞かせてもらえる?」
相手のメッセージをそのまま受け止めサポートする意志を持たなければ出てこない承認あるオープンクエッション…
風は進行方向に進んでいるのだと思います。どんな結果であれその風をスタッフの役に立つものに生かしていこうと考えています。
研修委員:黒木雅裕
KさんもIさんも僕は人間的に信頼できるスタッフだと思っています。だからこそいかにしてそれぞれの課題を受け取れる形でフィードバックできるかが僕の第一の課題でした。Kさんは比較的無口ですし、Iさんはその日かなり体調が悪い。前途多難な状況でしたが、マネージャのFさんなどのサポートのおかげでなんとかスタートすることができました。
まずその日の目的、
①資質や性格に合った学び方を発見する
②資質や性格に合った教え方を発見する
を伝え、最初はKさんIさんとワン・オン・ワンのコーチングです。「コーチングの流れ」の中の「現状の明確化」を目標に2人それぞれの現状を確認していきました。そして今日は2人の課題をテーマに勉強会を行うことへのコンセンサスをまず作り上げました。もともと彼らも課題を解決をしたい気持ちをもってますから不安を示しながらも前向きさを感じさせます。
課題を客観的に見てもらうために、私はひとつの工夫を持って勉強会に入りました。
彼らを、「安全性は高いがスピードに課題があるクルマ」「スピードは早いが安全性に課題があるクルマ」という比喩で彼らの現状を伝えることです。言葉だけでは客観性が足りないと思い、グーグルのイメージ検索から引き出したフェラーリとプリウスの写真をA4の紙に載せそれを参加者に回覧します。
「僕はこの2つのクルマを2人に例えて考えています。さてどっちがどっちですか?」という質問から勉強会をスタートしました。みんな笑いながらもほぼ全員一致。プリウスがKさん、フェラーリがIさんです。ということは本人達もスタッフも、ある程度課題を客観的に感じとっているわけですし、また私の比喩もそうはずれてはないことになります。
僕の役割は事実上ここまでです。課題の共有ができればあとは、リーダー、サブリーダーそしてスタッフが自ら答えを発見していく段階に入ります。今回は2つのグループ「プリウスピット」と「フェラーリピット」に分けグループコーチングをスタートさせました。
あえてグループの進行役も決めずにスタートしたのですが、解決の意志が明確な場合は、自然発生的に進行役を決める方がより答えに近づきやすいからです。すでにコミュニケーションの基盤がある場合、おそらく人間の脳はグループの力学を自発的に最適化する性質があるのではと推測しているのですがこれは余談。
出てきた課題は思った通りのところとそうでないところと半々です。Kさんについては「一生懸命にやっているが追いつかないところが課題」…と僕は考えていたのですが、どうやらスタッフには違う視点がある様子で…。
スタッフから見れば「Kさんは頑張っていると思うがまたがむしゃらさが外に出ていない」とのこと。スタッフとKさん双方で作ったそのコンセンサスに「そうなのか」と意外さを感じなからも私に新しい視点が生まれます。
「フェラーリピット」ではIさんを取り巻くコミュニケーション環境の課題が言葉になっていきます。先輩スタッフに質問をしても答えが得られないことがある。誰に質問をしていいかわからないという局面でプレッシャーが重なるなど…。
さらに本人の体調管理や仕事への意識の不十分さなども浮き彫りになりどうやら結構根が深い課題であるとの新しい認識が私に生まれてきます。「今日は答えを出す必要はありません」と伝えていましたが、両チームともかなりの精度で現状を明確にしてくれました。
ここで思わず僕は「ではどうすれば」とひとりで答えを考えてしまうのですが1人で答えが出るはずもまた出す意味もありません。
古いアメリカのポップソングの歌詞のように、今はまだ「答えは風に吹かれている」わけですが、それでも僕はそのグループコーチングの中に「コミュニケーションの沸騰点」を感じました。
奇しくも2人のサブリーダーTさんとMさんが、プリウスチーム、フェラーリチームそれぞれで同じ質問をしていたのです。
「今一番不安に感じていることを聞かせてもらえる?」
相手のメッセージをそのまま受け止めサポートする意志を持たなければ出てこない承認あるオープンクエッション…
風は進行方向に進んでいるのだと思います。どんな結果であれその風をスタッフの役に立つものに生かしていこうと考えています。
研修委員:黒木雅裕
by y-coach_net
| 2008-07-19 13:10
| 黒木さんのコーチング