小さなコーチングの大きなポイント…「コーチングの流れ」10
2008年 08月 01日
「行動の決定」のポイントははクライアントの意欲を促すことです。
どんなに性能のいいエンジン(=本人の能力)であろうと、どんなに高度なメンテナンス(=コーチング)をほどこそうと、肝心のガソリン(=意欲)が入ってなければその車は走りません。
「意欲を引き出す」ことが難しいのは、コーチングを含め世界中のありとあらゆる場所で無数の学習システムが生み出されていることからもはっきりしているわけですが、実のところ「意欲を引き出す」必要条件は案外単純です。
①クライアントが「自分にできる」と感じるレベルの目標を設定する
②クライアントが「自分の役に立つ」と感じる内容の目標を設定する
ことです。
例えば、いきなり「アメリカのメジャーリーグでイチロー以上に活躍する」などどいう目標を設定したとしても、まあ当たり前ですが、大半の人間にとっては意欲につながりません。
実は人は、本能的に「自分ができること」と「できないこと」を、かなり正確に判断しています。いくら刺激的な目標を持っても、それが実現不可能なものであれば意欲を持たないようにできているのです。
また逆に、いくら簡単に達成できる目標でも例えば、「今日から毎日10字ずつ新しい漢字を覚える」などの、それがどんな役に立つのかイメージしにくい目標に対しても、またなかなか意欲を持つことができません。
余談になりますが、いわゆる日本の「受験勉強」の弊害も実はここにポイントがあります。「受験勉強」は学歴という抽象的な肩書き以外、「ではその結果自分は何を得られるのか」というイメージを極端に持ちにくい目標達成のシステムなのです。
「精神論」や「一般論」で語られがちな「受験勉強」は結果的に「では何の役に立つのか」というビジョンを、なかなか学習者に「体感」させることができません。
ですから学習者は、「何のために学校に行くのか」、そして「何のために勉強をするのか」がわからないまま、時間と生命力を消費させられるという…いわば「理由なきストレス」にさらされ続けることになります。
「理由なきストレス」は「理由なき反社会的行為」を生み出します。
「受験勉強」だけではなく、現代の日本にはこの「理由なきストレス」を生み出すシステムがあらゆる所にあらゆる形で構築されていて、それが現代的な社会的不安を大量発生させているわけですが………ここから先は「コーチングの流れ」とはまったく別のテーマになります。また章を改めて書きたいと思います。
「できる」イメージと「役に立つ」イメージが重なった場所、そこに「意欲」が生まれます。そのときクライアントは、その心理の元の元から「やりたい」という意欲を獲得することができるのです。
ですから、どうしてもクライアントの意欲が高まらないときは何度でも「目標の明確化」にもどってみましょう。そしてクライアントが、「これなら自分にもできてその上役に立つからやりたい」という目標を再び構築するのです。
15分間のコーチングどころか、3時間の大コーチングでも、必ずそんな目標設定ができるとは限りません。またコーチングの、現在進行形(=オン・ゴーイング)でクライアントをサポートするという方法論から見ても、そんな「目標設定」はあまり意味が無いとも言えます。
そこで「コーチングの流れ」の最終ステップ…「継続的なサポート」ということになります。
…(続く)
研修委員:黒木雅裕
どんなに性能のいいエンジン(=本人の能力)であろうと、どんなに高度なメンテナンス(=コーチング)をほどこそうと、肝心のガソリン(=意欲)が入ってなければその車は走りません。
「意欲を引き出す」ことが難しいのは、コーチングを含め世界中のありとあらゆる場所で無数の学習システムが生み出されていることからもはっきりしているわけですが、実のところ「意欲を引き出す」必要条件は案外単純です。
①クライアントが「自分にできる」と感じるレベルの目標を設定する
②クライアントが「自分の役に立つ」と感じる内容の目標を設定する
ことです。
例えば、いきなり「アメリカのメジャーリーグでイチロー以上に活躍する」などどいう目標を設定したとしても、まあ当たり前ですが、大半の人間にとっては意欲につながりません。
実は人は、本能的に「自分ができること」と「できないこと」を、かなり正確に判断しています。いくら刺激的な目標を持っても、それが実現不可能なものであれば意欲を持たないようにできているのです。
また逆に、いくら簡単に達成できる目標でも例えば、「今日から毎日10字ずつ新しい漢字を覚える」などの、それがどんな役に立つのかイメージしにくい目標に対しても、またなかなか意欲を持つことができません。
余談になりますが、いわゆる日本の「受験勉強」の弊害も実はここにポイントがあります。「受験勉強」は学歴という抽象的な肩書き以外、「ではその結果自分は何を得られるのか」というイメージを極端に持ちにくい目標達成のシステムなのです。
「精神論」や「一般論」で語られがちな「受験勉強」は結果的に「では何の役に立つのか」というビジョンを、なかなか学習者に「体感」させることができません。
ですから学習者は、「何のために学校に行くのか」、そして「何のために勉強をするのか」がわからないまま、時間と生命力を消費させられるという…いわば「理由なきストレス」にさらされ続けることになります。
「理由なきストレス」は「理由なき反社会的行為」を生み出します。
「受験勉強」だけではなく、現代の日本にはこの「理由なきストレス」を生み出すシステムがあらゆる所にあらゆる形で構築されていて、それが現代的な社会的不安を大量発生させているわけですが………ここから先は「コーチングの流れ」とはまったく別のテーマになります。また章を改めて書きたいと思います。
「できる」イメージと「役に立つ」イメージが重なった場所、そこに「意欲」が生まれます。そのときクライアントは、その心理の元の元から「やりたい」という意欲を獲得することができるのです。
ですから、どうしてもクライアントの意欲が高まらないときは何度でも「目標の明確化」にもどってみましょう。そしてクライアントが、「これなら自分にもできてその上役に立つからやりたい」という目標を再び構築するのです。
15分間のコーチングどころか、3時間の大コーチングでも、必ずそんな目標設定ができるとは限りません。またコーチングの、現在進行形(=オン・ゴーイング)でクライアントをサポートするという方法論から見ても、そんな「目標設定」はあまり意味が無いとも言えます。
そこで「コーチングの流れ」の最終ステップ…「継続的なサポート」ということになります。
…(続く)
研修委員:黒木雅裕
by y-coach_net
| 2008-08-01 23:17
| 黒木さんのコーチング