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安心と変化のコミュニケーション…「存在を承認する」

一ヶ月前、「緊張を解く」コミュニケーションをスタッフ10名ほどで共有したわけですが、今日幾人かにその経過を確認してみました。

印象に残ったのは、サブリーダーのUさんが言ったこんな言葉で、「苦手なタイプの人に緊張を解く投げかけをしたんですが、話が続かなくて…失敗例です」…

苦手なタイプに「緊張を解くコミュニケーションをする」チャレンジをしただけでも大したものですが本人はコミュニケーションが継続しなかったことをもって失敗と感じているわけです。

なにかの原因でお互いを嫌悪している、もともと相性が悪いなど、結局仲が悪いということですが、いくら優れたコミュニケーション能力を持っていてもこういう場合はなかなか難しいものです。

コーチング的に言えば、相手が無愛想ならこちらもほどよく無愛想にペーシングし自尊心を守ることが優先事項になります。

人間は自尊心を損なわれると嫌悪や怒りを強く持つ存在なので、自らを追い込まないためにもこのへんのペーシングはとても大切です。

ただしこの場合でも、課題解決、目標達成を実現できるだけのコミュニケーションを維持する必要があることは変わりません。ですから相性の善し悪しに関わらずある最低線のコミュニケーションを定型化しておくことが重要になるのです。

「承認としての挨拶をする」「名前を呼んで声かけをする」「視線を合わせる」などは「安心の声かけチェックシート」を作って実際に私の職場で行っていることですが、基本的な考え方は「いかにして相手の存在を承認するコミュニケーションを行うか」ということです。

これらの定型化されたコミュニケーションを義務づけていくと、最初は「存在を承認する」ことを意識することへの心理的な抵抗が生まれますが、それを相互のサポートで乗り越えたとき、「私はここに居ることを認められている」というスタッフにとっての安心空間が生まれます。

そしてその感覚が生まれると並行して、職場の風土として定着し、そこかしこで自然に名前を呼び、視線を合わせ、挨拶を交わす姿が見られるようになります。

この基本線が守られれば仕事に必要な最低限のミュニケーションは守られます。仕事上のリスクは多くが情報伝達の障害によって生じるものです。逆に言えば、最低限のコミュニケーションが守られればそれだけで相当のリスクを回避できます。

マネジメントの安心感を高めるためにも、常に「相手の存在を承認する」コミュニケーションの環境の構築を心がけたいものです。

研修委員:黒木雅裕

※「安心の声かけチェックシート」がご入り用の方はj.coaching@gmail.comまでお知らせ下さい。
by y-coach_net | 2008-09-14 01:29 | 黒木さんのコーチング

ブログ… 「コーチはリーダーである。リーダーはコーチである」


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