人気ブログランキング | 話題のタグを見る

DVDの紹介…マイケル・マン監督作品 「コラテラル」

ちょっと前に一度見ていてそれを忘れて中古のDVDで買ったのがこのマイケル・マン監督の「コラテラル」で、今回は逆におもしろくて何回も視聴するほど見応えがあり、忘れていたのが不思議なほどキレとテーマを感じる作品です。

あえておもしろさを言葉にすれば「動き」と「意志」でしょうか。

酷薄だけれど哲学的な暗殺者ヴィンセントと彼の仕事に巻き込まれた「夢」に逃げ込む平凡で人の良いタクシードライバーマックスが、一夜の中で繰り広げる研ぎすまされた「友情」物語ですが、まず目に飛び込むのはヴィンセントに扮するトム・クルーズの「暗殺のプロ」以外の何者でもない「動き」です。

「構え」「打ち」「去る」銃の演技は特に出色で、意外に人間っぽい内面とのギャップをノンバーバルで見事に照らし出します。うまくいっている時も窮地に陥っている時もその「決めて」「やる」に瞬髪の間もなく、そこになにか彼が「決めた」あるいは「決めざるを得なかった」生き方が表現されていて、物語が進むに連れどこかこの暗殺者に共感させらていきます。

巻き込まれたマックスことジェイミー・フォックスの「動き」も見事。人は良いが「夢」を行動に移せない「弱さ」を、歩き方、しゃべり方、撃ちたくもない銃の撃ち方で的確に表現しています。そして暗殺の仕事に巻き込まれるという災難の中で、ある意味ヴィンセントから(そして自ら)生き方を学び、弱さの中でもがきながらも「決意」して「行動」する平凡な人間の健気さが表現されています。

映画の後半2人の「動き」はなにか「意志」とでもいうようなものに集約されていきます。彼らはそれぞれの生き方の限界を踏みしめながらそれでも「動き」続けます。ハッピーエンディングでは無いけれど「動き」の先にある「意志」あるエンディングをぜひお試しください。

研修委員:黒木雅裕
DVDの紹介…マイケル・マン監督作品 「コラテラル」_d0116079_311024.gif

# by y-coach_net | 2008-06-20 00:10 | 本の紹介

小さなコーチングの大きなポイント…「簡潔に話す」 5

「簡潔に話す」ための二つ目のポイント、
「相手の言葉以外のメッセージを聞き取る」についてです。

言葉以外のメッセージとは
視線、表情、声、姿勢、ジェスチャーなどに代表される
非言語のメッセージのことで、「ノンバーバルメッセージ」という外語も
(バーバル=言語、ノンバーバル=非言語)カウンセリングや
コーチングあるいは心理学の世界では一般化しています。

この「ノンバーバルメッセージ」を聞き取れるかどうか…
そしてどの程度の正確さでそのメッセージを認識できるか…

相手の行動に変化を生みだす強力なコーチングを
駆使できるかどうかは、この「相手の言葉以外のメッセージを
聞き取る」能力の獲得が最初の目印になります。

なぜ「ノンバーバルメッセージ」の聞き取りがそんなに重要なのか…

それは人が発するメッセージの中では
ノンバーバルメッセージのの占めるパーセンテージが
実は思いのほか高く、それゆえコミュニケーションの質に
決定的な影響を与えるからです。

例えば
「楽しそうに話しているのに目だけ笑っていない」…
逆に「なにも話さないが、終始やわらかく微笑んでいる」…
あるいは「話し方が丁寧すぎてその裏に敵意が隠されているように感じる」
それと対照的に「言葉使いは乱暴だがなぜかその人の声を聞きたくなる」などなど…

日常生活で多々実体験するこの類の現象は
一筋縄ではいかないコミュニケーションの特質と
その背景にあるノンバーバルメッセージの威力を証明しています。

一説では人が発するメッセージのうち
93%がノンバーバルメッセージであるという研究もありますが
これは私の体感ではさすがに大きすぎます。

以前、まったく言葉を知らない国に
一人旅で長期滞在する機会があったのですが
この説のとおりノンバーバルメッセージが93%を占めていれば
「バーバル=言語」はわからなくても、9割以上は表情や声や動作で
その国の人々の意図をくみ取れるはずですが、実際にはいいところ
相手が親切か親切で無いかが判断できる程度でした。

と同時に考えてみれば
相手が「親切か親切で無いかを判断できる」というのは
生きる上ではかなり重要なことであり、この辺をプラスマイナスして
あえて私の体感値を数字にするとコミュニケーションの65%は
ノンバーバルメッセージに依存していることになります。

いずれにしろ「ノンバーバルメッセージ」は
コミュニケーションに含まれるメッセージ量において
相当に大きな割合を占め、かつ決定的な影響を与えることに
違いはありません。

そして…

このノンバーバルメッセージを「聞く」にはいわゆる「センス」が必要です。

ここでいう「センス」とは、
資質とか才能という意味ではなく
「感じる力」という程度の曖昧な言葉ですが、
ノンバーバルメッセージという「見えない情報」を「見る」ための
重要な要素です。

…(続く)

研修委員:黒木雅裕
# by y-coach_net | 2008-06-17 23:27 | 黒木さんのコーチング

父の日

嫁にいった娘から誕生石をあしらった携帯ストラップのプレゼント。

世間では「父の日」と言うらしいが、我が家には関係ないと思っていたので、ウレシイ。

特に、娘との距離感がわからなくてコミュニケーションは不足がちだったのでなおさらだ。

結婚してからの娘はよく顔をのぞけてくれ、そのつどツレアイとケンカでもしたのかと気をもむのだが言葉にすることはない。

誕生石のぶら下がった携帯で、娘の携帯電話の留守電に「アリガトウよ」の一言を吹き込む。




文責 小石川年男
# by y-coach_net | 2008-06-16 12:58 | ほぼ日記

小さなコーチングの大きなポイント…「簡潔に話す」 4

ピッチャータイプについてですが
なぜ彼らは「聞く」より5倍「話す」のか?
(10倍あるいは100倍ということも…)
という視点で考える必要があります。

ピッチャータイプは
相手の話を聞き、自分が相手の話から
「影響」を受けることに恐怖を感じています。

彼らは基本的に
支配者←→被支配者の関係を作ることで関係の安定を図りますから
相手の話を聞き、その影響を受け、その関係に変化が生まれることは
自らの存在価値を破壊されかねない恐ろしい行為なのです。

その恐怖が背景となって
「ピッチャータイプ」は、自分に変化をもたらしかねない
新しい情報を遮断するために、すなわち相手の話を「聞かない」ために
「話し続ける」ことになります。

しかし「ピッチャータイプ」には、
話し続けることによって、逆に自分をより危険な状況に
追い込んでいることに気がついてないケースも見られます。

例えば、外部の環境が変化し
今までの行動パターンで適応できなくなった時
相手の話を聞き、認識を更新し、行動を変化させられない
「ピッチャータイプ」は急速に存在価値を失うことも多いのです。

ですからピッチャータイプに
コーチング的な意味での「話を聞く」能力を持ってもらうには

①「聞くべき話」と「聞くべきでない話」があることを知ってもらう
②「聞くべき話」と「聞くべきでない話」を区別してもらう
③「聞くべき話」を「聞く」重要さを理解してもらう

必要があるわけです。

意外に思われるかもしれませんが
ピッチャータイプとキャッチャータイプの不安感と恐怖心は
実は本質的には同じものです。

「話す」ことによって与える影響への不安感から
「聞く」ことに専念する「キャッチャータイプ」。

「聞く」ことによって受ける影響への恐怖心から
「話す」ことに専念する「ピッチャータイプ」。

「聞く」にしろ「話す」にしろそこには心理の根源から生まれる
不安感と恐怖心がありだからこそ「相手の話を正確に聞き取る」ことを
難しくしています。

コミュニケーションの不安感と恐怖心についてさらに言えば、
たとえば「大勢の人前で話す恐怖心」は、場合によっては
「死ぬことへの恐怖心」よりもまさると言われます。

人間がその脳の進化の過程で
より高度な協力関係を築く能力を持つ以前、
言いかえれば、人間がより「動物」だった時代には
「目立つ」ことはすなわち「死」を意味していました。

「目立つ」行動は
外敵の攻撃を受ける確率を飛躍的に上昇させ
それだけ「死」の危険性が高まったのです。

人間の脳は
「爬虫類脳」「動物脳」「人間脳」という分類が可能で
人間になっても失われていない人間脳より深いところにある「動物脳」が
「目立つ」行為への危険信号を生み出すのです。
だから「人前で話す」のは「怖い」のです。

考えてみれば
コーチングのトレーニングはそんなこんなの心理的課題を
乗り越えて身につけていく必要があるわけです。

あらためて

①正確な技術の伝達
②継続する仕組みづくり
③意欲に基づいた意志の育成

によって「動物脳」を飼い慣らすことの重要性を感じます。

…(続く)

研修委員:黒木雅裕
# by y-coach_net | 2008-06-15 01:54 | 黒木さんのコーチング

小さなコーチングの大きなポイント…「簡潔に話す」 3

実は「簡潔に話す」トレーニングをしたいなと思っている
私の職場のスタッフ達の多くがこのタイプなのです。

基本的に話しを聞いてくれて嬉しいなという感じですが
そうとばかりは言えない課題点もあります。

彼らは基本的に「話を聞く」コンピテンシーをすでに備えています。
コーチがやるような、技術的に洗練されたうなずきや相槌、あるいは
視線や姿勢ではありませんが、彼らなりに気持ちが充分に伝わる話の聞き方をします。

ですから話を聞かれている方(…この場合私やスタッフですね)も
基本的には安心感を持ってコミュニケーションをすることができます。

ただ難しいのは
だからと言って彼らが「相手の話を正確に聞き取っている」
わけではないという点です。

キャッチャータイプは「相手との会話の内容」そのものよりも、
むしろその会話に対する「相手の反応」に焦点があたりがちです。

「自分の質問に相手は反感を持たなかっただろうか?」
「相手が自分に視線を合わせてくれないのはどうしてだろうか?」
「今自分の声は攻撃的すぎなかっただろうか?」
などなど…

心配のタネが尽きないわけですが
その中心にあるのは、「今自分は相手にどう思われているのだろうか?」
という不安感です。

その結果、
キャッチャータイプの視線はコミュニケーションの相手ではなく
自分の不安感に対して向けられてしまうのです。

ですからキャッチャータイプに
コーチング的な意味での「話を聞く」能力を持ってもらうには

①視線が自分に向かっていることに気づいてもらう
②視線を相手に向ける方法を学んでもらう
③視線が気にならない環境をつくる

ことが必要になるわけです。

…(続く)

研修委員:黒木雅裕
小さなコーチングの大きなポイント…「簡潔に話す」 3_d0116079_4391790.gif

# by y-coach_net | 2008-06-14 00:32 | 黒木さんのコーチング

ブログ… 「コーチはリーダーである。リーダーはコーチである」


by y-coach_net